自己資金はいくら必要?創業融資の通りやすさと目安
はじめに
「起業したいけど、自己資金が足りるか心配…」
これは創業を考える多くの方が直面する悩みです。実際、創業時に利用する融資でも、自己資金の有無が重要なポイントになります。この記事では、創業融資に通るために必要な自己資金の目安や考え方について、わかりやすく解説します。
自己資金の目安は?
かつて日本政策金融公庫の「新創業融資」には「自己資金が総投資額の3分の1以上」や「創業資金総額の10分の1以上」という明確な要件が設定されている時期がありましたが、制度改正により現在の「新規開業資金」では自己資金要件が撤廃されました。
しかしながら、制度としての自己資金要件がなくなったとはいえ、審査の現場では「自己資金がある程度あるか」は依然として大きな判断材料です。
日本政策金融公庫のHP「創業計画Q&A」によると、日本政策金融公庫総合研究所の「新規開業実態調査」のデータより、創業資金調達総額に占める自己資金の割合は24%となっているそうです。
かつての自己資金要件が総投資額の1/3以上とあった事からも、せめて2~3割はあった方が審査は通りやすいと言えます。
自己資金があった方が創業融資の審査に通りやすい理由は、「事業のために計画的に準備をしてきた」という証拠になるからです。金融機関は、勢いや思いつきだけでなく、しっかり考えて行動しているかを重視します。
また、自己資金があると、事業がうまくいかなくても一定期間は資金繰りができると判断され、貸し倒れリスクが低いと見なされます。
自己資金として認められるお金・認められないお金
「自己資金」とは、自分でコツコツ貯めたお金のことです。ただし、どんなお金でも「自己資金」として認められるわけではありません。
▼認められる例
普通預金や定期預金にある資金、出どころが確かな現金、自身の退職金、親族等からの返済義務のないお金、有価証券や車など資産を売却した資金など
▼認められない例
親や知人から借りた返済義務のあるお金、直前にかき集めたような不自然な入金
融資を受ける際の面談では、自己資金を確認するため通帳を見せる事がほとんどです。自己資金の出所を明確に証明することが重要になります。
自己資金がない場合はスモールスタート
自己資金が少なく融資が希望額受けられない場合は、まずはスモールスタートをする事をおすすめします。少額の融資を受けて事業をスタートし、事業が順調に成長し、安定して売上を上げられる状態になったら、次のステップとして追加融資を受けるという方法が有効です。
自己資金が少ない場合は少額の融資でも事業計画書をしっかり作成し、事業への本気度・利益の見込み・明確なビジョンを金融機関に示す必要があります。
慎重に計画を立て、確実に返済を行うことで金融機関からの信頼を得ることができ、次の融資を受けるための基盤を作ることができます。
そして事業が安定して売上が証明できたら追加融資を申請します。売上実績をしっかりと示し、事業が順調に成長していることを証明できると、金融機関からの信頼が高まり、追加融資を受けやすくなります。
ここで返済履歴に延滞があると追加融資は難しくなるので、融資を受けた際の返済は必ず期日通りに行うよう資金繰りに気を付けましょう。
まとめ
起業を考えている方にとって、「自己資金がどのくらい必要なのか?」はとても気になるポイントですよね。
創業融資では、自己資金があることで事業への本気度や計画性を示すことができ、審査を通りやすくする大きな材料になります。
ただし、自己資金が足りないからといって、すぐに諦める必要はありません。まずは少額から始めて実績を積む「スモールスタート」など確実に事業拡大していける方法もあります。
起業は不安も多いですが、正しい情報としっかりした準備があれば、着実に前へ進むことができます。
創業融資や資金計画についてお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの一歩を全力でサポートします!
投稿者プロフィール

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さいたま市の気軽に頼れる秘書系行政書士です。
過去のメガバンク法人融資担当とベンチャー企業勤務での経験を活かし、行政書士として中小企業支援を目指しております。会社設立や各種許認可、契約書、補助金申請等をサポートいたします。融資相談も承っており、事業計画書も作成可能です!
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