劣後ローンとは?~中小企業にとってのメリットとリスク~
あまり聞きなれない「劣後ローン(メザニンとも呼びます)」。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業を救済する手段として積極的に活用されました。今回は、劣後ローンの概要、利用のメリットとリスクについて詳しく解説します。
劣後ローンとは?
劣後ローンは、一般的な債務よりも後に償還されるローンのことです。つまり、企業が倒産した場合や資金が不足した場合に、先に返済しなければならない一般的な債務(先行債)よりも後に返済される特性を持っています。そのため、償還能力が不安定な中小企業にとっては、資金調達の柔軟性を高める有力な手段となります。
劣後ローンのメリット
- 返済の柔軟性: 劣後ローンは、先行債務が優先的に返済されるため、資金繰りが厳しい場合でも一定の柔軟性を確保できます。
- 5年超の劣後ローンは貸借対照表上「資本」とみなされる:銀行が格付けする際に資本とみなすため、信用力及び債務者区分、格付けが向上します。
- 投資家の信頼度向上: 劣後ローンの提供は、投資家や金融機関から企業の成長戦略や長期的な持続可能性に対する信頼度を高めることができます。
- 期限一括返済:劣後ローンは期限一括返済です。積極的な事業投資をする際や事業リストラの局面等、リスクマネーが必要な場面では有効な資金調達方法です。
劣後ローンのデメリット
- 高金利の可能性: 劣後ローンは一般的にリスクが高いため、金利が高めに設定されています。また当初利率は低くても、利益が出たら利率が高くなる事があります。
- 法的・契約上の制約: 劣後ローンの契約条件には、企業に対する制約や規制が含まれることがあり、企業の経営に対する影響を考慮する必要があります。
- 審査が厳格で審査期間も長い:劣後ローンの債権者は全額の回収が保証されないリスクがあります。そのため貸す方の審査も厳しくなります。中長期的に安定する見込みのある事業計画表を作成しましょう。
まとめ
劣後ローンは、中小企業が資金調達を行う際の有力な選択肢の一つですが、その利用には慎重な検討とリスク管理が必要です。事業の成長戦略や資金繰りの状況に応じて、最適な資金調達手段を選択することが重要です。
主な取り扱い金融機関は「日本政策金融公庫」や「商工中金」です。詳細は各金融機関ホームページをご覧ください。
弊所ではお客様の経営状況に合わせて最適なご提案が出来るよう、融資に関する様々な知識を日々アップデートしております。ぜひお気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
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さいたま市の気軽に頼れる秘書系行政書士です。
過去のメガバンク法人融資担当とベンチャー企業勤務での経験を活かし、行政書士として中小企業支援を目指しております。会社設立や各種許認可、契約書、補助金申請等をサポートいたします。融資相談も承っており、事業計画書も作成可能です!
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