契約書作成のポイント~トラブル回避への道~

今回は、契約書の作成における重要なポイントについてお話しします。適切な契約書は、ビジネスの安定的な展開を支え、トラブルの発生を防ぐための重要なツールです。
では、契約書の作成において注意すべきポイントを見ていきましょう。

明確な契約内容の記載

契約の当事者や期間、対象物やサービスの内容を明確に記述します。曖昧な表現や抜け漏れがないように注意しましょう。
双方の権利と義務が明確であれば、トラブル時の解決がスムーズになります。
作成の際には下記事項を押さえてください。

  • 当事者の明示: 契約書の冒頭部分には、契約を締結する当事者の氏名や法人名、所在地などを明確に記載します。
  • 対象物やサービスの詳細: 契約の内容や提供するサービス、商品の詳細な説明を記載します。製品やサービスの仕様、数量、価格などを具体的に示します。
  • 契約期間: 契約が有効となる期間を明確に指定します。開始日と終了日を明確に記載し、必要に応じて更新手続きや解約条件も記述します。
  • 支払条件: 支払いに関する条件や方法、支払い期日を明確に記載します。価格や料金の詳細、税金や手数料なども明示します。支払いが滞った時のために遅延時の罰則は記載した方がよいでしょう。尚遅延損害金の利率について、現在の民法で定められてる中での最大は14.6%です。
  • 保証事項: 提供するサービスや商品に関する保証内容を明確に記述します。品質保証、返品・交換ポリシー、アフターサービスなどを具体的に示します。
  • 免責条項: 契約書には、特定の状況下で当事者が責任を負わないことを明確にする免責条項を含めることがあります。これにより、当事者が予測できない事象や不可抗力に対する保護を提供します。
  • 秘密保持義務: 別途秘密保持契約書を結んでいる場合は記載しなくてもよいですが、契約書に盛り込むのであれば当事者が取得した機密情報や業務上の秘密を保持し、第三者に開示しない義務を明示する秘密保持義務条項を記載します。
  • 契約違反への対処: 契約当事者が契約違反をした場合の対処方法や制裁措置を明確に定めます。例えば、違反が発生した場合の罰金や解約の条件を記載します。
  • 管轄裁判所: 紛争解決の管轄裁判所を明確に指定します。これにより、法的な争いが生じた際の対応が円滑になります。

適切な法的表現の使用

法的文言や条項を適切に使用し、契約内容を法的に妥当なものにします。契約者がお互いに分かりやすい言葉で、不適切な表現を回避しましょう。
下記ポイントを参考にしてください。

  • 明確かつ具体的な表現: 法的表現は、曖昧さや誤解を避けるために明確で具体的である必要があります。曖昧な言葉や不確定な表現は、契約の解釈や運用に混乱を招く可能性があります。
  • 一貫性の確保: 契約書全体で一貫性のある言葉遣いや表現を使用することが重要です。同じ用語が異なる箇所で異なる意味で使用されることがないようにします。
  • 法的用語の使用: 法的用語や条文を適切に使用し、契約書の法的な妥当性を確保します。特に重要な条項や条件に関しては、関連する法律や規制に基づいた用語を使用することが重要です。
  • 解釈可能な表現: 使用する表現が解釈可能であることを確認します。異なる文化や法律体系においても、契約の内容や意図が理解されるように工夫します。
  • 理解しやすい言葉の使用: 法的表現を使用する際にも、契約書の当事者が理解しやすい言葉を選ぶことが重要です。専門的な用語や条文が必要な場合には、それを十分に説明することも重要です。

知的財産権の取り扱い

機密情報や業務上の秘密に関する取り決めを含めることで、情報漏洩や競合他社への情報流出を防ぎます。
下記事項を押さえてください。

  • 知的財産の所有権の明示: 契約書において、取引によって生じる知的財産の所有権について明示します。例えば、新たに開発される製品や技術に関する知的財産権の所有権がどちらに帰属するかを明確にします。
  • 権利の許諾条件: 知的財産の使用や利用に関する許諾条件を明確に定めます。使用料やロイヤルティ、使用期間、使用範囲などの条件を具体的に記載します。
  • 機密保持契約の追加: 契約において、知的財産に関する機密情報や秘密情報の取り扱いについての規定を明示する機密保持契約を追加することがあります。これにより、知的財産の機密性を保護します。
  • 知的財産権の侵害への対処: 契約書には、知的財産権の侵害が発生した場合の対処方法や責任の所在について明記します。侵害が発生した場合の修正や賠償の手続きを明確に定めることで、紛争の解決が円滑に行われます。
  • 期限の定め: 契約書には、知的財産の利用や使用期間を明確に定めます。期限の定めがない場合には、知的財産権の保護が失われる可能性がありますので、注意が必要です。

悩んだら専門家へ相談しましょう

契約書の作成に際しては、専門家(行政書士や弁護士)のアドバイスを活用することで、より適切かつ信頼性の高い契約書を作成できます。

弊所でも契約書作成を承っており、契約解除や損害賠償、知的財産権についての合意等も明確にし、事前にトラブルを防ぐためのサポートをさせていただきます。また締結済みの契約書についてのリーガルチェックも承っており、不利な条件となっていないか入念にチェック致します。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

鈴木 愛美
鈴木 愛美
さいたま市の気軽に頼れる秘書系行政書士です。
過去のメガバンク法人融資担当とベンチャー企業勤務での経験を活かし、行政書士として中小企業支援を目指しております。会社設立や各種許認可、契約書、補助金申請等をサポートいたします。融資相談も承っており、事業計画書も作成可能です!