【インタビュー後編】「もっと気軽に相談に来てほしい」秘書系行政書士・鈴木愛美が語る、創業に必要なサポート

「起業したいけれど、何から始めればいいかわからない……」そんな起業家の壁打ち相手となり、設立から資金調達、許認可までをトータルサポートするのが「秘書系行政書士」の鈴木愛美さんです。
元銀行員としての経験を活かした確実な創業融資支援と、「迅速丁寧に」「遺漏なく」「先を見据える」をモットーに掲げる寄り添い型の伴走スタイルが強みです。
インタビュー【後編】では、具体的な仕事内容や取り組み、起業前の早い段階からの相談をおすすめする理由を詳しく伺いました。
PROFILE

行政書士
鈴木 愛美(すずき めぐみ)
群馬県出身。短期大学を卒業後、「株式会社みずほ銀行」に入社。法人融資業務に従事し、企業財務の現場で実績を重ねる。出産を機に銀行を退職。育児に専念したのち、在宅経理から社会復帰を果たす。その後は商社や不動産会社での実務を経て、行政書士資格を取得し、独立開業。
元銀行員だからわかる経営者の悩み。モットーである「迅速丁寧に」「遺漏なく」「先を見据える」に込めた想いとは?
──行政書士の業務の中で、特に力を入れている分野を教えてください。
主な業務は創業支援で、特に強みを持っているのが創業融資の支援です。起業を考えているお客様からご相談を受け、会社設立は司法書士先生と連携しながら行い、そこから創業融資までまとめてサポートをしています。
たとえば、美容師さんが独立する際の保健所への届出や、飲食店を開業する際の営業許可など、起業にはさまざまな許認可が関わってきます。そのあたりを行政書士資格を活かしてサポートし、設立から融資、許認可までをまとめてお任せいただいています。
行政書士は許認可を取るだけのスポット業務が多いですが、私は経営者に寄り添いたいという思いが強く、顧問契約のプランもご用意しています。

──「迅速丁寧に」「遺漏なく」「先を見据える」というのは先生の理念だと伺いました。この言葉にはどんな想いが込められているのでしょうか?
1つ目の「迅速丁寧に」は、忙しい経営者を待たせたくないという思いからです。起業に向けて行動する際は、不安を抱えているお客様が多くいます。何か連絡をしたのに返事が来なかったら、その間ずっと不安な気持ちで過ごすことになりますよね。なので、返信や手続きは常に最短で行い、お客様を不安な気持ちで待たせないよう心がけています。
ただ、急ぎすぎてミスをしたら結局は遠回りになりますし、お客様にご迷惑をおかけしてしまいます。スピード感を持ちつつ丁寧に進めていくことが大切なので、2つ目の理念を「遺漏なく」としています。
3つ目の「先を見据える」は、会社設立後のイメージや動きまで考えるという意味ですね。私は会社設立の段階で、「どんな会社にしたいか」「どういう事業展開をしていきたいか」を必ずヒアリングします。将来のビジョンによって、定款に書く事業目的の作り方が変わるんです。やりたいことが広がっていきそうなお客様であれば、「将来的にこういうビジネスも展開しますか?」と、将来に向けて事業目的を組み立てていきます。
こうしてお客様と一緒に事業の未来を考えていくと、融資を受けるべき最適なタイミングも見えてきます。
創業や融資でよくある悩み。創業希望者が行政書士に相談するベストタイミングとは?
──行政書士がよく聞かれる悩みや相談には、どのようなものがありますか?
起業をしたいけど、「何から手をつけていいか分からない」という相談です。皆さん、やりたいことや得意な技術はあるのですが、手続きの部分は行政書士である私に導いてほしいと希望されます。
個人事業でやるべきなのか、法人を設立すべきなのかというところから悩んでいたり、中には経営者に向いていないお客様もいます。経営者は数字のことも考えなきゃいけないので、その部分を理解するのが難しそうという場合には、「まずは個人事業でちょっと様子を見ましょう」とアドバイスをします。それから一年後、改めて会社設立でご相談に来られることもありました。
──特に創業融資の面では、どんな相談が多いのでしょうか?
あまり資金使途を定めず、「とりあえず1000万円ほしい」と相談されるケースですね。起業してやりたいことがたくさんある中で、資金の使い道があいまいなまま、希望額だけが先にある状態でご相談に来られることがよくあります。そのビジネスをやるのにどれだけの費用がかかるのか、その費用をいつ回収して、売上としてリターンが来るのか。ここまでの具体的な流れを考えられている人って、すごく少ないんです。その部分を一緒に考えていくというのは、ひとつやりがいですね。
希望額が難しそうだなと感じた場合、「1000万円は難しいですが、500万円なら可能性はあるかもしれません」というように、理由や根拠を説明したうえで現実的な金額を提案して、事業計画を練り直します。いざ一緒に事業計画を練ってみると、そんなにお金は必要なかったりします。

──無事に融資が決まった瞬間は、やはり特別な思いがありますか?
創業融資が下りた瞬間はとても嬉しいです。十分な資金がないと開業できないビジネスがあり、たとえば美容師さんの場合だと、店舗を契約して内装工事を行わなければ、開業することすらできません。なので、融資が決まるとお客様は「やっとやりたかったことができます」と本当に喜んでくださいます。お客様がやりたかった夢のスタートラインに立って、大切な第一歩を支援できることが何よりの喜びです。
──起業を思い立ってから、行政書士へ相談にいくベストなタイミングを教えてください。
相談に来るタイミングが早すぎるということはなく、起業したいという気持ちが芽生えた最初の段階がベストだと思います。実は、経営者って身近に相談できる人がすごく少ないんです。「まだ依頼するタイミングではないかも」とためらわれるかと思いますが、頭の中を整理するための壁打ち相手として使っていただきたいです。
早い段階でご相談いただくことで、起業までの全体の流れがクリアになり、もやもやとした頭の中をきれいに整理できます。まずは会社を設立して、登記が終わったら口座を開設して、融資を受けるなら申請はこのタイミングで……といったように、やるべきことの流れを提示するだけで、考えがぐっとスムーズになります。計画的に行動できますので、まずは相談に来てほしいです。
「何でも相談できる専属秘書でありたい」会社設立後も伴走して創業者をサポート
——「®秘書系行政書士」という肩書には、どのような思いが込められていますか?
自分は秘書のような立場になって、お客様とは二人三脚で創業をサポートしたいと思っています。相談が必要なときには的確にお応えし、適切なタイミングでやるべきことを実行して、お客様の右腕のような立場として伴走するイメージです。
経歴を振り返ってみると、みずほ銀行時代は法人融資の部門で営業担当を支える事務を担当していましたし、不動産会社でも社長の側近として秘書のような業務をしていました。そういった仕事はとても楽しかったし、誰かを支える仕事が向いていると感じていたんです。
また、法律に詳しくないお客様の中には、知らないうちに法令違反をしてしまうケースもあります。例えば、飲食店を経営されているお客様で、すごく美味しいご飯が作れてうまくいっているのに、手続きの不備で営業ができなくなったら、本当に残念でもったいないことだと思います。そうなる前に「何でも相談できる秘書」として、経営者を守れる存在でありたいと思っています。
──起業後、実際に経営がスタートしてからのサポート体制について教えてください。
私は顧問契約を用意しています。もっとも契約いただいているのが、月額2万円で月に1度面談するプランです。LINEではいつでも相談できる状態にしていて、資金のことなど、不安に思っていることがあればご相談いただいて対策をご提案します。
会社設立で携わったお客様からご依頼いただくことがほとんどで、やはり初めての経営で不安だから、という理由が大きいと思います。
あと、「こんな広告を出そうと思うんですが」といった相談があった際は、景品表示法について警告をします。たとえば、期間限定価格として出すには、通常価格が一定期間存在していないといけないといったルールがあるんです。さまざまな条件要件がありますが、知らずにやってしまっているお客様が多いので、そういった相談もしてほしいですね。

──個人事務所として再スタートをされるそうですが、今後の目標や掲げているビジョンを教えてください。
2026年8月末で共同代表を務めていた法人を脱退し、9月1日から個人事務所として再スタートします。あわせて9月中に株式会社の設立もしました。基本的な業務は変わらず、創業支援をメインにやっていきますが、もっと幅広くやっていきたいと考えています。
行政書士はできることは限られていて、たとえば、お客様から営業や広告などのマーケティング面でご相談されたときなど、わたしの知識では対応できないことがあります。新しい会社では、会社設立に関する業務を一括して請け負って、わたしのところですべて解決する、プラットフォームのような会社にしたいです。
あとは、若者支援をやっていきたいという思いが強いです。趣味で通っているジムで、大学生のスタッフさんとお話ししたり、学生団体からインタビューを受けたりしたんですが、やりたいことが見つからずに彷徨っている学生が本当に多いんですよね。強みがあるのに気づけていない子もいて、そこに気づかせてあげるなど支援したいです。もし「起業したい」となったら私がサポートできますので。
ほかにも、やりたいことはたくさんありますが、語りだすときりがないですね(笑)。結局のところ、皆さんの人生の再出発や、スタート地点の支援ができたらいいという思いがあります。
──どのような行政書士でありたいと考えていますか?
行政書士は、気軽に相談できる存在であるべきだと思っています。行政書士に相談するのは、ある程度の規模の会社を起業するときだというイメージがあるかと思いますが、まったくそんなことはなくて。個人で小さなお店を始める方にも相談に来てもらいたいんです。
今は起業される方が増えていますし、副業もOKになってきました。たとえ法人化しない副業であっても、ご自身で展開する大切なビジネスであることに変わりはありません。そうしたケースでも、「契約書はこういうところに気をつけてくださいね」といったアドバイスができます。まずは気軽に相談に来てほしいというのが、私が行政書士として一番お伝えしたいことです。
あなたの「やりたい」を形にする、一番身近な相談相手として
銀行員時代に培った知識を活かした資金調達と細やかな気配りで、創業の第一歩を手厚く支える鈴木愛美さん。経営者の右腕としてどこまでも伴走する「秘書系行政書士」の姿勢には、「人に寄り添いたい」という変わらない熱い想いがありました。
インタビュー【前半】では、鈴木先生が行政書士を目指すまでの生い立ちや歩んできた葛藤、仕事にかける原点の想いなど、人となりを詳しくお聞きしています。ぜひあわせてご覧ください。
投稿者プロフィール
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さいたま市の気軽に頼れる秘書系行政書士です。
新卒でメガバンクに入行。法人融資担当での経験を活かし、現在では行政書士として、金融機関連携の創業融資をメインとした創業支援を行っています!融資相談をはじめ、会社設立や各種許認可、契約書作成などサポートいたします。





